ウボンのロウソク祭り本番
2007/07/29(Sun)
ウボンのロウソク祭り本番


いよいよロウソク祭りの本番の日がやって来ました。

この日ばかりは、普段全く見かけないタイ内外からの観光客でウボン市内の人口密度が一年で最も上昇する。

トゥンシームアン前のウパラット通りは、さながらバンコクのスクンビット通りのようだ。欧米人観光客も沢山見かける。日本からのツアー客も来ているようだ。

一年中閑散としているウボンのホテルはどこも超満員。インターネットで予約できるライトンホテルなどの高級ホテルから満室になるようだ。穴場は格安のバックパッカー宿。

これ全部ロウです
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これは当日のチェックアウト時刻にならないと、果たして空室が出るかどうかわからないからだ。

しかし安いホテルにはそれなりのリスクも伴う。

『地球の歩き方』や『ロンリープラネット』で人気の格安ホテルと紹介されている東京ホテルは、3年前にホテル内で銃撃事件があったことを地元の人なら誰でも知っている。

これは個人のエントリー作品
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さて肝心のロウソク製の山車であるが、ワット(寺院)単位で信徒が出品するものと、個人単位でエントリーする二つの系統があるようだ。

規模や豪華絢爛さでは、各ワットの威信を賭けた山車に軍配があがる。

これに対して個人のエントリー作品は、自分の所有する軽トラックや4WDを改造してロウソクの山車を作ってしまうというもの。

お坊さんも興味津々
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これはよほどの物好きか信仰心に厚いウボン人が腕によりをかけて製作したこだわりの一品だ。

ワットが製作する山車が古典芸術作品であるとすれば、個人のエントリー作品はモダンアートといった感じの山車。

お寺で製作された山車は、信者の取り巻きに見守られながら街中をパレードしてトゥンシームアンへ向かう。

いざパレードに出発
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この日はウボン中のワットから一斉に巨大なロウソクの山車が信徒の護衛を受けながら一路トゥンシームアンを目指す。

この壮大な光景とウボンの街を埋め尽くす祭りの熱気や活気を文章で表現するのは難しい。

やはりこれは実際に行って見るしかありませんね。

白き妖精たち
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そしてトゥンシームアンに到着するとそれぞれの山車の品評会が行われる。これがウボンにおけるロウソク祭りの概要だ。

私の家の近くのワットからも山車が品評会に参戦するために“出撃”するところであった。

このお寺と山車の構図は、ちょうど日本の神社と神輿の関係によく似ていると感じた。

出ましたタイのチンドン屋
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街の鎮守様である日本の神社から、宮神輿を神社の氏子たる睦会の担ぎ手が宮出しする日本の伝統行事とそっくりだ。

タイ式のチンドン屋に先導されて巨大な山車が通りを凱旋パレードしながらゆっくりと進んでいく。

人々はみな通りに出てきて胸を躍らせながら山車が通り過ぎるのを見守る。

超巨大ろうそくオブジェ
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山車に乗っている男達の表情からは、ウボンで今までに見たこともないような自信に満ちた精悍な面構えや眼の輝きを読み取ることができる。

ウボンはタイで最も貧しいとされる東北地方にあって、人々の多くはバンコクに出稼ぎに行く。

ウボン人はバンコクの人々から一段低く見られていると言っても過言ではない。

トゥンシームアンは大混雑
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しかしこの日ばかりはバンコクのみならず世界中から大勢の人々がウボンにやって来る。ウボン人にとってロウソク祭りとは「郷土の誇り」であり、この日はウボン人の面目躍如で鼻高々なのだろう。

トゥンシームアンは巨大なロウソクの山車が大終結して、それはもう凄いことになっていた。人手は軽く1万人は超えているだろう。

屋台の数も数百はある。テレビ局も取材に来ていて、祭りの様子がタイ全土に中継されている。

山車が大集結しました
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ロウソク祭りの由来を英語と日本語でもアナウンスされていた。しかし思いっきり原稿の棒読みで、聞き終わってから「今のはもしかして日本語だった?」という感じだった。

日が暮れてくると、ライトアップされた山車の美しさは一層の輝きを増して感動的だ。

見るとロウソクの彫刻に油を噴射して光らせている。月の光りにも照らされて幻想的な異次元空間にいる気がしてきた。

踊り狂うウボン人たち


「どうせタイの田舎祭りだろう」と大して期待はしていなかったが、これは予想外の大スペクタクルだ。ウボンよ、よくぞやってくれた!と心から喝采を送りたい。

この日のために各地域や国から大勢の観光客が訪れるのも頷ける。

ウボンのロウソク祭りは、一度は見に来る価値は十分にあると思います。

お見事!と言うしかありません
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さて興奮冷めやらぬ状態で帰宅すると、男連中が集まって何やら書類にサインをしている。

聞けばこれは『私はカオパンサーからオクパンサーまでの3ヶ月間、一切酒を断ちます』という“断酒宣誓書”であった。

敬虔な仏教徒は、例え在家信者であろうともこの3ヶ月間は禁酒するのが慣わしのようだ。

正に幻想的な大スペクタクル
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これには驚いた。普段はアル中のような連中が、一切の酒を断つというのである。

タイ人は約束や規則、法律を守らないとよく言われるが、宗教上の戒律だけは厳科に遵守するようだ。

私は彼らのこの態度に感動し、正直言って感銘を受けた。見上げた根性だ。

ライトアップが美しい
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しかし私はまだまだタイ人を知らなさ過ぎた。この断酒宣誓書に署名をした次の日、私は彼らにしっかりと飲みに誘われた。

そしていつものように浴びるほど酒を飲んで、ルークトゥンの音色に合わせて手をヒラヒラさせながら踊っていた。

「おいおい、あの断酒宣誓書は一体何だったんだい?」などと野暮なことを聞く私ではなかった。

ウボン人とはこのような人達です。この日の夜もこうしていつもと変わらぬ一日が過ぎていきます。

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ウボンのろうそく祭り
2007/07/28(Sat)
ウボンのろうそく祭り


ウボンと言えばろうそく祭り。キャンドルフェスティバルと言えばウボンラチャタニと言うくらいタイ内外にその名を轟かせている。

毎年恒例7月末のカーオパンサー(入安居)の日に行われる。つまりロウソク祭りは仏教行事な訳だ。

その昔、釈迦が悟りを開いた後に初めて説法を行い、5人の弟子がその教えに帰依して出家し僧侶となった。この三宝(仏法僧)が確立した日を三宝節と呼び、三宝節の翌日を入安居の日とした。

かつては仏教徒のタイ人男性のほとんどがこの日よりオークパンサー(出安居)までの3ヶ月間、出家して寺に篭り修行をするのが慣わしであった。

ウボンの店頭に並ぶロウソク
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電気の無い時代、明かりを灯すものはロウソクしか無かった。仏道修行に励む僧侶のために、信徒は入安居が近づくと寺にロウソク(トンティアン)を奉納するようになった。

出家を祝い、寺にロウソクを奉納する伝統的な宗教儀式が、いつの間にかロウソクの山車が街をパレードする一大フェスティバルに発展してしまったらしい。

推測すれば、信心深く権力や財力のある者がその誇示のために巨大かつ装飾性に富んだロウソクを競って製作し、それをお披露目のために街を練り歩いて見せたのが祭りの始まりではないだろうか。

丁度、日本の寺や神社で地元の有力者が「奉納○○」と銘記して巨大な絵馬や灯篭、御神酒を献納しているのと発想は同じような気がする。

もうロウソクだらけ
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この時期になると写真にあるようにウボンの店頭に様々なロウソクが売られている。しかし祭りの本番に出てくるロウソクは、こんなちっぽけなものではなかった。

この日は土曜日で前夜祭。明日がパレード本番で、まだロウソクの山車は完成していない。ウボンには街の至るところに大小様々なワット(寺)がある。まるで京都のような街だ。

そのウボンにあるあちらこちらの寺で今急ピッチにロウソクの山車を製作している。そういえば街全体から焦げたロウの臭いがする。

これが全部ロウで出来ています
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この寺でも職人が最後の総仕上げをしていた。ロウソク彫刻の最大のミソは、加工が簡単ということだ。熱したコテを当てるだけですぐに細工ができる。

もしこれが木彫りだったら大変な作業だ。楽チンでサドゥアックな仕事は、タイ人が最も得意とするところ。

私は翌日のパレードを心待ちにしながら、夜店が出ているトゥンシームアンへ向かった。

遊園地+屋台村と化したトゥンシームアン
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予想通りトゥンシームアンはすごいことになっていた。人手は数千から1万人ほど。もとは只のだだっ広い公園で、ウボンの代々木公園か日比谷公園といったところ。

これが正月やロウソク祭りの時期になると、一夜にして遊園地+屋台村の大テーマパークに変身する。この日はカラバオのコンサートまで無料で見ることができた。

タイにもテキヤのような行商人がいるらしい。そして地方の祭りを巡業しながらタイ全土を車で周って生活をしているそうだ。みなウボン出身ではなく他所から来た人々だと聞いた。

日本でも普段は娯楽がない地方都市の祭りほど大いに盛り上がる。ウボンもそうだ。普段はさして変化のないタイの田舎街なので、この時とばかりに祭りになるとドンチャン騒ぎになる。

大量のルークチン屋台
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日本の屋台の定番はタコ焼きやお好み焼きだが、タイではルークチンだろう。

タイ人がこんなにも日本のつみれを喜んで食べてくれるのを見ると嬉しい気もする。

各店はつみれの大きさや、タイ独特の甘辛酸っぱいタレで他店との差別化を図っている。1本5B(15円)は安すぎ。

すごい人手
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タイには移動式遊園地なるものが存在する。観覧車やローラーコースターを手作業で組み立ててはバラして地方を巡業している。

これははっきり言って危険だ。安全基準などあって無きが如し。

そしてタイの観覧車、ローラーコースター、ゴーカートなどは日本のものに比べてスピードが異常に速い。確かにスリル満点で面白いのだが、これは危険極まりない。

ゴーカート場
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安全性よりもサヌック・サバーイを優先するのがタイの遊園地なのか。多分これまで何人も死んでいるだろう。

そんなことを知ってか知らずか、ウボン人は大人も子供も「ギャー!」と悲鳴を上げながら大興奮で乗り物に乗っている。大いに盛り上がってみんなとても楽しそうだ。

上の写真はゴーカート場。タイポップスをガンガンかけてDJまで流して場を盛り上げている。煽られて興奮したドライバーは猛スピードで走行。一歩間違えば大事故だ。

かわいいチビッ子ライダー
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タイの男に家族計画などという概念は通用しないのか、特にウボンでは子供がやけに多い。

この日も子供連れや子供相手の乗り物が沢山あった。タイ式子育て方とは甘やかし放題、などと言ったら言い過ぎか。

かわいい子供のために財布の紐もゆるみっぱなし。そんな親心を巧みに利用した乗り物も多い。

出ました!インチキ詐欺ゲーム屋台
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毎度お馴染みとなったインチキ詐欺ゲームの数々。日本の縁日でも射的や三角クジがあるが、その規模や数ではタイに及ばない。

どれも1回20Bほど。写真の左側がパチンコで、右側がダーツ。一等商品は巨大なキティやポケモンのぬいぐるみ(多分コピー商品)やウイスキーの100 pipersなど。この場末なチープさがマニアにはたまらない。

それにしても6本のダーツで小さな風船5個を割るのは、ダーツの達人でないと相当に難しい。パチンコの的もキャラメル箱ほどの大きさで、連続して命中させるのは事実上不可能だ。

私などは「ふんっ、こんな金捨てゲーム誰がやるか」と思ってしまうが、タイ人は違う。風船を3つ4つ割っただけでもう一等賞を取った気分になり、奇声を上げて手を叩いて飛び上がって喜んでいる。

タイ人は宝くじも大好き
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タイ人は射幸心を煽るギャンブル性の強いゲームが相当に好きらしい。

金をドブに捨てることになるという知恵は働かない。一瞬でもサヌック感が味わえればそれでいいじゃない、とうことなのか。

写真中央の宝くじ売りの女の子の笑顔がとても素敵だったので、彼女の営業スマイルに負けて私まで100Bを払ってしまった。美人はトクですね。

怪しいビール瓶釣り
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お次は糸で結んだ輪っかでビール瓶を釣って直立させようというゲーム。瓶を立たせる床が微妙に傾いている。このゲームも相当に難しい。

店員がマイクパフォーマンスで「あともうちょっとです!あー惜しい!」などと叫んで場を盛り上げている。失敗して瓶が倒れると見ている人からため息が漏れる。

こんなバカバカしいゲームにもタイ人は夢中で取り組んでいてとても楽しそうだ。

ビンゴゲーム屋台も大繁盛
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ビンゴの屋台も大盛況だ。マイクで読み上げられる番号に耳を澄まし、みんな必死になってマス目を埋めている。

この日のトゥンシームアンは、夜12時を過ぎても大人から子供まで食べて飲んで、乗り物にスリルを味わいゲームに興じて大いに盛り上がっていた。

この際、前から思っていたことをこの場ではっきり言わせてもらおう。やはりタイ人はバ○だ。でも彼らはバ○になれるから幸せなんだ。日本人はバ○になれないから不幸なんだ。

「私はタイ人からバ○になることを学んだ」などと言ったら彼らから怒られるだろうか。

でもこの日の彼らの表情からは、心底楽しんで本当に満ち足りた幸福感を読み取ることができました。

ウボンにいる人々はみな幸せなんです。

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来るな!スターバックス
2007/07/26(Thu)
来るな!スターバックス


いよいよと言うか、えっもう?と言うべきかスターバックスがウボンに進出する。ネバダグランドホテルの前が工事中だったので何ができるのかと気にはなっていた。

私はこれを悪いことが起きる前兆のような不吉な予感がしてならない。

「アメリカ帝国主義の侵略」などと共産ゲリラのようなことを言うつもりはないが、大抵アメリカ資本のチェーン店が軒並み進出ラッシュした都市はロクな結果にならない。

進出に伴って利益や効率が最優先のアメリカ型市場主義が街を席巻し、伝統的な文化や価値観が崩壊する。

何がOpening soonだ!


一秒一円までギリギリにコストを抑えられ、過剰なノルマや営業成績を課せられた従業員の顔からは笑みが消える。

途上国特有のおおらかさやのんびりした時間の観念が消えうせ、先進国並みの競争社会が到来する。

先進国とは張り詰めた緊張感の中で他人を押しのけてでも生きていこうとする激しい競争社会。

そうした国からアジアの途上国に降り立った旅行者が魅せられたものは、アジアを流れる超スローペースな時間の流れや、あくせくしないでのんびりと生きるアジアの人々ではなかったか。

タイの朝はやっぱりこれでなくっちゃ


そうした古き良きアジアの都市がまるでオセロの駒をひっくり返すようにまた一つパタンと先進国の都市に変貌を遂げる。バンコクがそうだろう。

1960-70年代に日本企業のバンコク駐在員として過ごした私の知り合いは、今のバンコクは変わり果ててしまったと残念そうに話していた。

日本からバンコクに来ると確かに東京に比べてのんびりとしたアジアの空気を感じてほっとすることがある。

しかしウボンにしばらく滞在してからバンコクに行くと、妙に殺伐として冷たいものを感じる。

ウボンの一日は朝のコーヒーから
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タクシーに乗って行き先を告げても運転手は何も言わずに発車。着いて料金の精算の際も一言も喋らない聾唖者のようなドライバーばかりだ。

これならば昔は多くいた日本人観光客と見るやオンナは要らんかとアッチ系の店に何とかして連れて行きマージンを取ろうとする雲助タクシーの方がまだタイらしくて私は好感が持てる。

スターバックスの進出によってウボンのバンコク化にも一層の拍車がかかるのだろうか。

あと数年もすれば「ウボンも前はもっとのんびりとしていい所だったんだけどね。今じゃすっかり変わっちゃったね。」などと言うことになるのだろうか。

そうはなってもらいたくないという思いが表題の「来るな!スターバックス」であり、冒頭の不吉な予感である。

ウボンよいつまでも変わらないでいてくれ


スターバックスはちゃんとウボンでのマーケティング調査をしたのだろうか。すぐに潰れたりしたらお笑いだ。

確かにバンコクではスターバックスやタリーズ似の一杯40-50Bのコーヒーショップが流行っている。そうした所で宿題をするのがバンコクの学生にとってはカッコいいらしい。

食通の人がマクドナルドには行かないように、どの国の都市でもスターバックスに行く人はコーヒー好きの人ではない。

「スタバ」などと聞き慣れない呼称をし、スターバックスのコーヒーを飲むことが何かオシャレでカッコいいことと勘違いしている人々ではないだろうか。

フラペチーノなどは冷たくて美味しいと思うが、肝心のホットコーヒーは不味くて香りがない。これであの料金は高すぎる。

ウボンのカーフェーソット イカすウボンオヤジです


ウボンの人々がスターバックスに通うほど購買力があるとも思えない。そしてウボンにはカーフェーソット(生コーヒー)と呼ばれる美味しいコーヒーが街の至る所で飲める。

これは客の注文を受けてからコーヒー豆を磨り潰し、専用のエスプレッソマシーンを使って金属フィルターで抽出して出すという本格派。

注文してからやや待たされるが、このようなコーヒーがおいしくないはずがない。香りとコクは最高だ。ウボンではこんなコーヒーが20-30Bで飲めてしまうのである。

果たしてこのような成熟したウボンのコーヒー市場に殴り込みをかけたスターバックスに軍配は上がるのか。

あるいはスターバックスが進出するほどまでにウボンが発展したことを素直に喜んであげるべきなのか。

この答えが出るにはもう少し時間がかかりそうだ。

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さようならウボン
2007/07/17(Tue)
さようならウボン


ついにウボンを去る日がやってきました。

長い夢もいつかは覚める。現実に引き戻される日が来てしまった。以前からわかっていたことではあるが、いざこの日を迎えると非常に残念で名残惜しい。

ところが周りのウボン人は、私との別れを惜しんでいる様子は全く見られない。いつものように楽しそうなニコニコ笑顔で「今度はいつ帰ってくるんだい?」と口々に聞いてくる。

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そうか、私が帰る場所は東京ではなくてここウボンなのか。そう考えると何だか私も別れのさみしさなどどこかへ吹き飛んでしまった。

最後まで本当に愉快な人たちである。果たして私はこれから日本で“社会復帰”できるか心配だ。しばらくはリハビリ期間が必要だろう。

ウボンを去るにあたり、私がウボンに住んで学んだウボン人(タイ人)と上手に付き合っていく秘訣についてお話しをしたいと思います。

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それはズバリ言って「タイ人の好きなようにさせておく」。この一言に尽きます。

例えどんなに親しいタイ人の友人が、①約束を破ろうと②時間に遅れて来ようと③見え透いた嘘八百をつこうと④貸した金を踏み倒そうと⑤受けた恩をスッカリ忘れようと⑥オキニのおネエちゃんがバックレようと、「タイ人の好きなようにさせておく」。これしかありません。

このようなことが起きる度に、いちいちタイ人を逆さ磔にして火あぶりの刑を執行していたら時間がいくらあっても足りません。

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留意すべきことは、何もタイ人は初めから「日本人を騙して非道い目に遭わせてやろう」などとは考えていないということです。

夜の商売をしている男女や観光地で親しげに流暢な外国語で話しかけてくる連中を除いて、普通の堅気のタイ人にはそんな悪知恵など働きません。

タイ人お得意の場当たり的な無計画性や将来に対する見通しの甘さによって、当初予定していた計画や約束を履行できなくなったというだけのことです。何も日本人をハメた訳ではないのです。

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思うに日本人の人付き合いの仕方というのは、「全面信用」か「全面不信用」かの二つに一つしかないように思います。

そして上記①~⑥が一回でも起きようものなら、「こんな奴は信用できん」「もう二度と顔も見たくもない」となるのではないでしょうか。

タイのようなグレーゾーンが異様に長い文化圏では、黒か白かといった二者択一のアプローチはあまりに短絡的です。

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あえて黒白決着をつけようとはせずに灰色のままにしておき、からまった糸は無理にほどかずにからまったままにしておくのがタイ式の解決方法のような気がします。

アナタ無責任。ワタシも無責任。

あえて責任の所在を明らかにせず「みんな仲良く無責任」なのがタイの文化だなどと言ったらタイ政府から抗議を受けるでしょうか。

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私はこのような考えに立って毎日タイ人と接していたところ、ある時「お前はプーヤイだな」と言われたことがあります。

プーヤイとは大きい人、つまり大人という意味です。この男は私に相当迷惑がましいことをしておきながら謝るでもなく、年下の私に「お前はオトナだ」などと言うとは大笑いです。

普通のタイ人はこんな連中ばかりです。毎日をサバーイ・サヌックに生きることしか考えていないその日暮らしの善意の人たちに、腹を立てるような度量の狭いことをしてはいけないと思います。

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タイ人をこちらの思い通りに動かそうなどと思ってはいけない。猫に首輪をつけて曲芸を強要するようなものだ。猫は誰からも干渉されずに自由にフラフラしていたいのです。

逆に言えば上記①~⑥程度のマチガイは、自分もタイ人に対して行って全然OKということです。タイ人相手にバカ正直な日本式の義理や筋を通そうなどとは考えない方が無難です。

私は相手がもし日本人ならば人間関係にヒビが入るようなことをタイ人にしても「テメー!どういうつもりだ!」などと言われたことはありません。「マイペンライ」と言って許してくれます。

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自分が好き勝手にやるのと同時に、他人の自由も日本人の常識以上に最大限認めてあげるのがタイ人です。

「タイ」とは元々自由を意味する言葉であるとタイ語の通訳者から聞きました。

お互いに「マイペンライ」と言って許し合えるようなサバーイな人間関係を築くことがタイ人と上手く付き合っていく秘訣ではないでしょうか。

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水が沸騰して蒸気になる「沸点」は世界共通100度であるが、人間がキレて爆発する「沸点」は各民族によって異なるようだ。日本人の沸点は、世界的に見てもこれは異常に低い。

毎日、箸の上げ下げのようなことにキレてわめき散らしているバカはどこの職場や学校にもいるだろう。逆にタイ人の沸点は異様に高い。温厚で笑みを絶やさず、めったなことでは怒りをあらわにしない。

しかし一度タイ人がキレるともう手が付けられない。「包丁でメッタ刺し」「銃を乱射」「浮気に逆上した妻が夫の局部を切断」といった記事がタイのタブロイド紙によく出ている。

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このような日本人とタイ人が一緒に仕事をしたり住んだりすれば、トラブルになるのは火を見るより明らかだ。

タイ人の部下を叱り飛ばしたばかりに刺し殺された栗田工業(東証一部上場)の社長のような例は枚挙にいとまがない。

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以前、タイを列車で南下してマレーシアのペナン島に行ったことがあります。ここは18世紀より東洋の真珠として栄えた国際貿易港で中国系移民の華僑が多く住んでいます。

歴史を感じさせるコロニアル風建築の中華系旅社で麺をすすっていると、壁に古い中国の書が掲げてあるのがふと眼にとまりました。

そこには『人生最大的礼物是寛恕』と書かれてありました。これは随分と気の利いた表現です。つまり「人にくれてやる人生最大のプレゼントは、寛(ひろ)く恕(ゆる)すこと」という訳です。

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そう言えば、敬老の日に「長生きする秘訣は何ですか?」と聞かれた100歳を超える日本の老人の答えは、何を喰ってるとかこういう運動をしているとかではなく、「全て許すこと」でした。

憎しみや怒りは笑って大メコン川の水に流しましょう。

タイ人を許してやることができれば、タイで極楽浄土な超サバ~イ生活を送ることができるのではないでしょうか。

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このブログはウボンへの旅行者向けに、日本ではほとんど手に入らないウボンに関する情報の提供を目的に始めましたが、蓋を開けてみれば主な定期購読者はウボン人の奥さんや彼女がいる方々でした。

この多さに驚くと同時に、自分の最愛の相手の故郷がどんな所か関心を持つのも頷けます。

この街とそこに住む人々を少なからず知る一人として、皆さんのお幸せ(クワームスック)を誰よりも願っています。

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私もこの世のものとは思えないほど美人で人間的魅力にも溢れるウボン女性の多くと親しくさせて頂きましたが、未だ生涯の伴侶を得るには至っておりません。

彼女たちから見れば私は「積極性や攻撃力に欠ける」と評価を下されそうですが、タイの男のような猛烈アタックの末にヤリ逃げといった戦術は私の兵法にはありません。

でもまだ“一回の表”が終わった段階では、こんなもんでよろしいんじゃないでしょうか。

ウボンを舞台にしたドラマの第一幕は、まだ始まったばかりです。

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短い間でしたが、わずか数か月の間に3万ヒット!ものアクセスをして頂きありがとうございました。

このブログを通じて、ウボンラチャタニというタイの東北地方にある小さな街とそこに住む人々の魅力を少しでもわかってもらえたら当ブログ管理人としてこれ以上の喜びはありません。

地球上にこんなにも人々が幸せに楽しく生きている所があることを私はウボンに来て初めて知りました。

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それでは惜しみつつウボンラチャタニに吹く風と共にウボンを去ることに致します。

さようならウボン

ありがとうウボン

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