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タイの運転免許
2007/06/07(Thu)
Uparat通り


ウボン市内は交通の便がとても悪い。

バンコクにあれほど多く走っている路線バスなど走っていない。流しのタクシーやトゥクトゥクもめったに見かけないので捕まえるのは難しい。

公共の交通機関としては唯一ソンテウがあるくらいだ。これとて10分待って来れば早い方。そして夜は全く走っていない(制服を着たカワイイ子と向かい合ってソンテウに乗るのはドキドキして楽しいのですが…)。

自転車などという暑くて疲れるだけ乗り物は、例え経済的でもタイ人は乗らないようだ。いかにタイ人らしい気質だ。

こうなるとバイクか車を持っていなければ、ウボン市内の移動は完全にお手上げになってしまう。特に旅行者にとっては、不便なことこの上ない。

旅行者などめったに来ないから必要ないのであろうか。つまりそれだけウボンはド田舎であり、貧しいことの証左という気がする。

ウボン市内を走るソンテウ
P2180730.jpg

そんな訳だからウボン人のほぼ全員がバイクか車を持っているか、あるいはそんな経済的余裕が無い人でも免許証は持っているのが実情だ。

ウボンでは無免許・飲酒運転やバイクのノーヘル走行が広くまかり通るが、検問も時おり行われている。大きい声では言えないが、私もやったことがある。しかし捕まった時のことを考えるとリスクが大きい。

このようなウボンの交通事情から以前より「タイの運転免許を取りたい」と常々考えていた。しかも私は「国際運転免許証」などというシャレたものは日本から持って来ていない。

ネットで情報収集をすると、必要書類として日本大使館から「在留届出済証明」を取ってタイの陸運局に提出しなければならないらしい。

そしてこの証明を得るには、在留届を大使館に届け出ていることが前提となる。しかし私は日本大使館に在留届など出していない。いざという時に日本大使館に助けてもらおうとなどとこれっぽっちも考えていない。

トゥンシームアン
P2220794.jpg

バンコクの日本大使館まで行って届出済証明書を取得するには、往復で最低4日間は必要だ(申請の翌営業日発行)。書類不備で差し戻されたらもっとかかってしまう。

以前の私ならこれだけ聞いて「こりゃタイの免許を取るのはムリだ」と簡単にあきらめていただろう。しかし今の私にはバンコクの法律や規則が一律にタイ全土で厳格に適用されているはずがないと確信する妙な自信があった。

タイがそんなに“仕事キッチリ”の国ならば、とっくの昔にシンガポールのように発展している。とにかくウボンにある陸運局に行って聞いてみるしかない。

さっそく私は知人を運転手兼交渉人に任命。この男は私より年上だが、普段の飲み食い、夜遊びでは全て私が勘定を払っている。彼は快諾し、我々はビッグCの先にあるサムナガーンコンソンと呼ばれるウボンラチャタニ県陸運局に向かった。

サムナガーンコンソン(ウボンラチャタニ県陸運局)
P2200762.jpg

日本の運転免許試験場は警察の管轄だが、タイでは普通のお役所だった。さっそく窓口で聞いてみると、私の予想は的中して在留届を持って来いなどとは言われなかった。

その代わりにタイでの現住所と職業を証明する公的な書類が必要とのことだった。こういうアバウトな要求をされた方が対応しやすい。そんなものは知り合いのタイ人に作らせればすぐできる。

結局バンコクの日本大使館に行って、在留届出証明などをもらわなくともタイで運転免許が取れるのがわかった。この日はこれでおしまいにしてウボンの陸運局を後にした。

翌日に再び陸運局へ。タイは暑いからといって、改まった場でTシャツ・短パン・サンダル履きは避けた方が無難だ。私はラルフローレンの長袖シャツにトミーヒルフィガーのパンツと革靴で出かけた。

これで私もアヤしいタイ華僑の御曹司に変身。陸運局に行く前に病院に寄った。なぜかタイでは免許を取得するのに健康診断書が必要なのだ。この健康診断書の取得の仕方がいかにもタイらしい。

ウボン陸運局の内部
P1010756.jpg

病院の総合窓口で「運転免許のための健康診断書が欲しい」と言ってパスポートを見せて40Bを払う。するとものの3分ほどで私の名前が記載された健康診断書が出来上がって手渡された。

医師の診察など全く無し。もともとある書式に私の名前を印刷しただけ。これは40Bで健康診断書を“買った”ようなものだ。こんなことがまかり通るのがタイの病院。

そして再びサムナガーンコンソンへ。まず最初に3階で色盲の検査。色の名前をタイ語で言わなければならないが、日本と同じなのですぐに合格。続いて「反射神経」を測るためのテスト。

検査室に入ると小学生が図画工作で作ったようなボロい測定装置があった。緑色の裸電球が点灯するとアクセルのつもりらしい木のペダルを踏む。赤が点灯するとブレーキ役の木製ペダルを踏むだけ。

こんなのが反射神経を測るテストか?続いて選挙の投票箱のような木の箱に顔を埋める。前方と左右に豆電球が付いている。緑の豆電球が点灯すると「シーキアオ(緑)」、赤が点灯すると「シーデーン(赤)」などと試験官に告げるだけ。

私は思わず「オレをバカにしてんのか!」と言いたくなった。果たしてこんなテストで落ちる奴がいるのだろうか。まあタイ人のことだからいるかもしれん。

タイ語で聴く交通安全講習
P2210781.jpg

続いて広い教室で安全講習のような講義を1時間ほど聴く。タイ検4級の私にはタイ語の講義などチンプンカンプン。周りを見回すと一緒に聞いているタイ人受験者の反応が面白い。

もう完全に視線が宙を泳いでいる。聴く気が無いのがミエミエだ。中には机の上に両腕を折り曲げてその中に顔を埋めて熟睡している“大物”もいる。広い教室に講師の声と天井のファンの音が虚しく響く。

窓の外を見上げると強い太陽の日差しがまぶしく、鳥のさえずりがこだまする。ここにあるのは時が止まったような南国の時間と平和な静寂だけ。私の心は満ち足りた気分だった。

講義が終わると、タイ人は聴いてないくせにパラパラと頼りない拍手。午前の部はこれでおしまい。そして昼休みの休憩に入る。午後からは筆記試験と実技試験がある。

教室から出ると私は筆記試験の教室に行って試験官を見つけ、挨拶して自己紹介をした。相手は30歳代とおぼしき女性。男性の試験官に比べてとっつきにくいが、仲良くなれば力になってくれそうだ。

右手の教室で筆記試験が行われる
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私は満面に笑顔を浮かべて「お昼ご飯でも一緒にどうですか」と彼女を誘った。ここでタイに長く居る人はピンと来るかもしれない。そう、昼飯をオゴって便宜を図ってもらおうという訳だ。

こういう誘いにホイホイ付いて来るのがタイのカーラチャガン(お役人)というものだ。するとこの女、何と自分の部下の女二人まで一緒に連れて来やがった。いいでしょう、こうなったら誰でも何人でも大歓迎です。

彼女は建物の裏手にある職員用の大衆食堂に私を案内した。私の連れの男は用事ができたとかで帰ってしまったので、ここは私一人の踏ん張りどころ。

彼女はこんな所に免許を取りに来る日本人が相当珍しいようで、「ウボンに来てどの位になるのか」「ウボンで何をしているのか」「ウボンの印象はどうか」と根掘り葉掘り聞いてきた。

私はウボンがいかに素晴らしい所で気に入っているかを話した。4人でご飯や麺類、ソムタムやスープを注文しても全部で300Bほどだった。1,000Bほど賄賂を渡そうかと思っていたので、結果的に安く上がってしまった。

筆記試験はコンピューター試験だった
P2210780.jpg

食事を済ませて午後の筆記試験へ。驚くことにコンピューター試験で、日本語表記まであった。しかし問題を見るとかなり難しい。駐車禁止などの標識は日本と同じだが、スピード制限や積載重量などの法規は全く異なる。

私は彼女がどのように便宜を図ってくれるのか不安になった。まさか不合格の答案を合格に改ざんするなど無理だ。コンピューターだから記録が残ってしまう。私は心配になり彼女に視線を送った。

すると何のことはない。試験を受けている私の机の横に彼女が立つと、「それは合っている」とか「それは違う」などと教えてくれた。これには空いた口が塞がらない。こんなことがウボンではアリなのである。

周りの受験者はバカな日本人とは違うので「試験官が答えなんか教えていいのかよ!」などと騒ぎ立てるアホはいない。これでは落ちる方が難しい。私は余裕で合格した。

事前に試験勉強しないと難しかった
P2200763.jpg

彼女に別れを告げて次は実技試験。タイでは自分で車を試験場に持ち込んで試験を受ける。持っていない私は20Bを払って試験場の車を貸してもらう。教習コースは猫の額ほどの小ささ。

試験官は炎天下で試験を行っているため、早いところ合格させてとっとと仕事を終わりにしたいのが表情からありありとわかる。難しいのはバックからの車庫入れだけで、ポールを倒さない限りほとんどの人が合格していた。

そしてついに私は最終合格を果たした。免許証が出来上がると、私はまるで百点の答案を母親に見せる小学生のように彼女に見せに行った。彼女は「よかったねー」と一緒になって喜んでくれた。

さて帰ろうと思ったが、帰りの足がない。彼女に相談すると何と自分の車でBig C前にあるソンテウのターミナルまで送ってくれた。今回は何から何まで彼女に大変世話になった。

ここが実技試験場
P2200764.jpg

彼女は必ずしも私に飯をオゴってもらった“見返り”として親切にしてくれた訳ではないと思う。タイ人はそれほど打算的にギブ&テイクで動く人たちではないと今の私は考える。

むしろ一緒に食卓を囲んだことにより、赤の他人から一歩踏み込んでお互いが「サバーイ」になれる関係に近づいたことが一因ではないだろうか。お互いの「心の距離感」を上手くつないだことが功を奏したと思う。

タイの運転免許証はIDにもなり、色々と使い道がありそうだ。私はどう見ても10代には見えないのだが、以前パスポートを所持しておらずバンコクのクラブ「Route 66」に入れなかったことがある。

そんな訳でまた一つウボンの良さを実感し、ウボン人の親切に助けられた今回の免許取得劇であった。

私の運転免許証です
P5310817.jpg
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コメント
-  -
免許取得おめでとうございます。
ウボンは、タクシーは滅多に走っていませんね。
私は、1回しか見たことがないですし、ウボンではタクシーには乗ったことがないです。
トゥクトゥクも、デパートの駐車場で待ってるし、サムローもデパートか、市場に行かなければ乗れませんね。
巡回バスが走っていて時々利用はします。
ほとんどは、妻の運転するスクーターに子供と3人で乗って移動しています。
スクーターも最近は流行っているようですね。
澪(MIO)のクラシックバージョン?に乗っています。
でも、馬力が日本の原付の倍以上ありますね。
私も、将来は免許が欲しいです!!!

自転車は子供は乗っていますね。
小学生くらいしか、自転車には乗らないのでしょうね。

2007/06/07 21:33  | URL | ナ~ム #wLMIWoss[ 編集]
- 初めまして -
初めて書き込みをします。
私もウボンが大好きで昔はよく行ってました。
そんな私も結婚を機にウボンから遠のく始末です。
コチラのブログを見ながら思い出にふけることもあります(笑)
私がまだ旅行を満喫してる頃ならウボンに行った時にお会いしたいでーす!なんて言ってたかもしれませんが、今となってはそうもいきませんので
これからもブログをいつも楽しみにしていたいと思います。
車の免許、取ったんですね。
日本とは全く違うから驚きました。
バンコクに住む友達(タイ人)は運転できる友達に教えてもらってから免許、発行してもらうのよ!なんて言ってたのを思い出しました。
何はともあれ、免許ゲット、おめでとうございます!
2007/06/08 11:20  | URL | マメゾウ #-[ 編集]
-  -
拍手!拍手!拍手!…
私めも、取得した~いwww

国外免許書を携行していきますが
毎年、更新することの面倒なことw
検問には、3度程出くわすていますが、、、あの仰々しい免許書のせいか、返してくれる時のおまわりさんは、最敬礼ですわいwww
(中味、、、読めね~んじゃないかな)

しかし、、、嫁の車、、購入から15ヶ月で、26千キロオーバーwww
ガス代も高いし、、、(泣)
無料乗り合いタクシーには、せんでくれ~(涙)
2007/06/09 09:19  | URL | モコイ #-[ 編集]
-  -
澪(MIO)、ホンダのドリーム又はWAVEが有名ですね。警官は“お小遣い稼ぎ”のためにノーヘル運転の人を呼び止めるようです。

私の友人に奥様から「訪泰禁止令」が出ている人がいます。何もそう疑がらんでも、、、と思います。
2007/06/09 09:30  | URL | #-[ 編集]
- 管理人のみ閲覧できます -
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/06/09 14:48  | | #[ 編集]
- ヽ(´o`; す・すばらしい~! -
「アヤしいタイ華僑の御曹司に変身」というところが気になるところですが(笑)。
免許取得、おめでとうございます。「タイらしい?」良いお話だと思います。はやり、Panyaaさんのお人柄が大きく寄与したのではないでしょうか。誰もが、このように「上手くいく」とも思われませんし。
日本語の問題もあるのですね。しかも、試験中、写真を撮っちゃうところが、すごい!(笑)
2007/06/09 21:27  | URL | w.hitoshi #-[ 編集]
-  -
このコンピューター試験の日本語は少し変でした。きっとタイ語から強引に和訳したからでしょう。
やはりインチキして合格するのがここでの“正攻法”だったのかもしれません。
2007/06/11 17:27  | URL | #-[ 編集]
- 国際免許→タイ免許 -
タイトルの通り、やったことあります。
在留証明を大使館で取得して、バンコクの陸運局に行ったら、お前はナコンパトン県に住んでるんだからそっちへ行けといわれ、おんぼろ陸運局で、管理人さんと同じ適性検査を受けました。
試験は、筆記、実技ともなし。
1時間ほどで、病院の診察券のようなカードをもらいました。
姉が陸運局前のお店でパウチッコしてくれてなんとなく免許証に見えるくらいになったのが面白かった。
在留届は、インターネットでも届けられるのですが、証明書の交付は届けてから1週間くらいしないともらうことが出来ないんです。
11月にはウボンに行きます。
もち、ロンレーム ライトーンです(笑

2007/06/23 11:23  | URL | Nonbe-san #-[ 編集]
- 管理人のみ閲覧できます -
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/08/16 13:22  | | #[ 編集]
- 管理人のみ閲覧できます -
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2015/12/28 16:56  | | #[ 編集]
-  -
T様 コメントありがとうございます。

すみません、管理人はもうウボンを出発してしましました。

またの機会をお願い致します。
2016/01/03 23:25  | URL | #-[ 編集]
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