さようならウボン
2007/07/17(Tue)
さようならウボン


ついにウボンを去る日がやってきました。

長い夢もいつかは覚める。現実に引き戻される日が来てしまった。以前からわかっていたことではあるが、いざこの日を迎えると非常に残念で名残惜しい。

ところが周りのウボン人は、私との別れを惜しんでいる様子は全く見られない。いつものように楽しそうなニコニコ笑顔で「今度はいつ帰ってくるんだい?」と口々に聞いてくる。

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そうか、私が帰る場所は東京ではなくてここウボンなのか。そう考えると何だか私も別れのさみしさなどどこかへ吹き飛んでしまった。

最後まで本当に愉快な人たちである。果たして私はこれから日本で“社会復帰”できるか心配だ。しばらくはリハビリ期間が必要だろう。

ウボンを去るにあたり、私がウボンに住んで学んだウボン人(タイ人)と上手に付き合っていく秘訣についてお話しをしたいと思います。

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それはズバリ言って「タイ人の好きなようにさせておく」。この一言に尽きます。

例えどんなに親しいタイ人の友人が、①約束を破ろうと②時間に遅れて来ようと③見え透いた嘘八百をつこうと④貸した金を踏み倒そうと⑤受けた恩をスッカリ忘れようと⑥オキニのおネエちゃんがバックレようと、「タイ人の好きなようにさせておく」。これしかありません。

このようなことが起きる度に、いちいちタイ人を逆さ磔にして火あぶりの刑を執行していたら時間がいくらあっても足りません。

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留意すべきことは、何もタイ人は初めから「日本人を騙して非道い目に遭わせてやろう」などとは考えていないということです。

夜の商売をしている男女や観光地で親しげに流暢な外国語で話しかけてくる連中を除いて、普通の堅気のタイ人にはそんな悪知恵など働きません。

タイ人お得意の場当たり的な無計画性や将来に対する見通しの甘さによって、当初予定していた計画や約束を履行できなくなったというだけのことです。何も日本人をハメた訳ではないのです。

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思うに日本人の人付き合いの仕方というのは、「全面信用」か「全面不信用」かの二つに一つしかないように思います。

そして上記①~⑥が一回でも起きようものなら、「こんな奴は信用できん」「もう二度と顔も見たくもない」となるのではないでしょうか。

タイのようなグレーゾーンが異様に長い文化圏では、黒か白かといった二者択一のアプローチはあまりに短絡的です。

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あえて黒白決着をつけようとはせずに灰色のままにしておき、からまった糸は無理にほどかずにからまったままにしておくのがタイ式の解決方法のような気がします。

アナタ無責任。ワタシも無責任。

あえて責任の所在を明らかにせず「みんな仲良く無責任」なのがタイの文化だなどと言ったらタイ政府から抗議を受けるでしょうか。

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私はこのような考えに立って毎日タイ人と接していたところ、ある時「お前はプーヤイだな」と言われたことがあります。

プーヤイとは大きい人、つまり大人という意味です。この男は私に相当迷惑がましいことをしておきながら謝るでもなく、年下の私に「お前はオトナだ」などと言うとは大笑いです。

普通のタイ人はこんな連中ばかりです。毎日をサバーイ・サヌックに生きることしか考えていないその日暮らしの善意の人たちに、腹を立てるような度量の狭いことをしてはいけないと思います。

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タイ人をこちらの思い通りに動かそうなどと思ってはいけない。猫に首輪をつけて曲芸を強要するようなものだ。猫は誰からも干渉されずに自由にフラフラしていたいのです。

逆に言えば上記①~⑥程度のマチガイは、自分もタイ人に対して行って全然OKということです。タイ人相手にバカ正直な日本式の義理や筋を通そうなどとは考えない方が無難です。

私は相手がもし日本人ならば人間関係にヒビが入るようなことをタイ人にしても「テメー!どういうつもりだ!」などと言われたことはありません。「マイペンライ」と言って許してくれます。

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自分が好き勝手にやるのと同時に、他人の自由も日本人の常識以上に最大限認めてあげるのがタイ人です。

「タイ」とは元々自由を意味する言葉であるとタイ語の通訳者から聞きました。

お互いに「マイペンライ」と言って許し合えるようなサバーイな人間関係を築くことがタイ人と上手く付き合っていく秘訣ではないでしょうか。

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水が沸騰して蒸気になる「沸点」は世界共通100度であるが、人間がキレて爆発する「沸点」は各民族によって異なるようだ。日本人の沸点は、世界的に見てもこれは異常に低い。

毎日、箸の上げ下げのようなことにキレてわめき散らしているバカはどこの職場や学校にもいるだろう。逆にタイ人の沸点は異様に高い。温厚で笑みを絶やさず、めったなことでは怒りをあらわにしない。

しかし一度タイ人がキレるともう手が付けられない。「包丁でメッタ刺し」「銃を乱射」「浮気に逆上した妻が夫の局部を切断」といった記事がタイのタブロイド紙によく出ている。

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このような日本人とタイ人が一緒に仕事をしたり住んだりすれば、トラブルになるのは火を見るより明らかだ。

タイ人の部下を叱り飛ばしたばかりに刺し殺された栗田工業(東証一部上場)の社長のような例は枚挙にいとまがない。

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以前、タイを列車で南下してマレーシアのペナン島に行ったことがあります。ここは18世紀より東洋の真珠として栄えた国際貿易港で中国系移民の華僑が多く住んでいます。

歴史を感じさせるコロニアル風建築の中華系旅社で麺をすすっていると、壁に古い中国の書が掲げてあるのがふと眼にとまりました。

そこには『人生最大的礼物是寛恕』と書かれてありました。これは随分と気の利いた表現です。つまり「人にくれてやる人生最大のプレゼントは、寛(ひろ)く恕(ゆる)すこと」という訳です。

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そう言えば、敬老の日に「長生きする秘訣は何ですか?」と聞かれた100歳を超える日本の老人の答えは、何を喰ってるとかこういう運動をしているとかではなく、「全て許すこと」でした。

憎しみや怒りは笑って大メコン川の水に流しましょう。

タイ人を許してやることができれば、タイで極楽浄土な超サバ~イ生活を送ることができるのではないでしょうか。

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このブログはウボンへの旅行者向けに、日本ではほとんど手に入らないウボンに関する情報の提供を目的に始めましたが、蓋を開けてみれば主な定期購読者はウボン人の奥さんや彼女がいる方々でした。

この多さに驚くと同時に、自分の最愛の相手の故郷がどんな所か関心を持つのも頷けます。

この街とそこに住む人々を少なからず知る一人として、皆さんのお幸せ(クワームスック)を誰よりも願っています。

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私もこの世のものとは思えないほど美人で人間的魅力にも溢れるウボン女性の多くと親しくさせて頂きましたが、未だ生涯の伴侶を得るには至っておりません。

彼女たちから見れば私は「積極性や攻撃力に欠ける」と評価を下されそうですが、タイの男のような猛烈アタックの末にヤリ逃げといった戦術は私の兵法にはありません。

でもまだ“一回の表”が終わった段階では、こんなもんでよろしいんじゃないでしょうか。

ウボンを舞台にしたドラマの第一幕は、まだ始まったばかりです。

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短い間でしたが、わずか数か月の間に3万ヒット!ものアクセスをして頂きありがとうございました。

このブログを通じて、ウボンラチャタニというタイの東北地方にある小さな街とそこに住む人々の魅力を少しでもわかってもらえたら当ブログ管理人としてこれ以上の喜びはありません。

地球上にこんなにも人々が幸せに楽しく生きている所があることを私はウボンに来て初めて知りました。

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それでは惜しみつつウボンラチャタニに吹く風と共にウボンを去ることに致します。

さようならウボン

ありがとうウボン

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コメント
- 待ってますよ!!! -
本当に、東京に戻られるんですか?(もう戻ってられるかも)
本当にウボンの色んな情報をありがとうございます。
私は、妻子がウボンにいますが、管理人さんの紹介されたウボンの10分の1程度しか知りませんでした。
紹介されたレストランは年末年始に言ってみようと思っています。

管理人さんの言われているように、ウボンの人は純粋で、純情ですね。
滅多に怒ることはないですが、怒ったときは本当に怖いですね。
浮気なんかしたら、おかまちゃんになってしまいますね。
純粋というか、親戚のおじさんがお金がないから欲しいと言ったので、少し渡すと、翌日、嬉しかったので半分、お坊様にタンブンしたと・・・

本当に楽しい話を色々とありがとうございました。
一回の表が終わっただけということなので、裏を期待して待っています!!!
必ず、帰ってきてください。
2007/07/17 21:38  | URL | ナ~ム #-[ 編集]
- 有り難うございました。 -
思えば昨年11月初めてウボンの土地を踏んだきっかけがこのブログでした。そしてそれから次、いつウボンに行こうか、ウボンに行ったらどこに食べに行こうか、そんな事を考えながらこのブログを楽しみに見ておりました。
正直、残念です、なんか妙に寂しいですね。
しかしまだ私にとっては始まったばかりのウボンへの思い・・・Panyaaさんに負けずにウボンを満喫したい!そう思っています。
(ここのブログはすぐに閉めないですよね。貴重な情報満載なのでしばらくはこのままでお願いします!)

またPanyaaさんに何処かでお会い出来る事を楽しみにしております。まずはお疲れ様でした!(東京の方が疲れるか?・・)そして、有り難うございました。
2007/07/18 21:34  | URL | コンヌア #-[ 編集]
-  -
感謝。。。。

そうですよね、、、
慈愛の心www
すべてを許すw
嫁とは、ただいま冷戦中の私めですww

管理人様、お疲れ様でした!
また、会う日まで~♪
会える~時~まで~♪
‥‥‥
2007/07/18 22:30  | URL | モコイ #-[ 編集]
- お気に入りに登録したのですが -
残念です。続編お願いしますね。しめないで、ウボンの人よ♪
帰国後も書き続けてくださいね。
2007/07/18 23:08  | URL | ランナム #-[ 編集]
-  -
有益な情報と楽しいエッセイ、ありがとうございました。今後、ウボンにも日本人が増えていくかもしれませんね。私もウボンに住みたい一人です。
9月に妻子とともにウボンに帰省しますので、このブログを印刷して、もって行きます。妻は、例のスパに行きたがっております。
また、どこかでお会いできると良いですね。
ご自愛、下さいませ。
2007/07/19 19:17  | URL | w.hitoshi #-[ 編集]
-  -
Panyaaさんの写真が大好きで、
更新のたびにワクワクして見ていました。
北タイでゴルフばかりの自分でしたが
今年はウボン行きを実現させたいと思っています。

ちょっと、残念ではありますが
今まで、楽しませてくれて本当にありがとうございました。

これからも、お元気でご活躍下さい。
2007/07/20 10:04  | URL | 和牛 #-[ 編集]
-  -
ひょっとしたらウボンのどこかで偶然会うかも!?なんてことを期待していましたが・・・もう帰ってしまっていたのですね(/Д/)
ウボンからまた1人日本人がいなくなったのだと思うと、とっても寂しいです。
留学する前からこのブログを初めて拝見させていただいて、それからというものウボンに来る直前まで、ずっとこのブログを読み返していました。
このブログはウボンに留学する楽しみを何倍にも大きくしてくれました。感謝の言葉でつきません…
今、私はここで想像以上の素敵な生活を過ごしています。
ウボンでの残りの期間を目一杯楽しみたいと思います。
2007/07/21 16:58  | URL | ゆーき #P6KoQm2c[ 編集]
-  -
皆さんコメントありがとうございます。

ウボンを知って頂くにはやはり「行けばわかるさ」です。

どうかご自身の眼でご覧になって、ウボンを体験してみて下さい。

今後は皆さんと同様に年数回しかウボンに行けません。

ゆっくり気長に当ブログを更新できたらと考えています。

それではまたブログ上でお眼にかかりましょう。お元気で…
2007/07/22 22:09  | URL | 管理人 #-[ 編集]
- ええっ! -
日本へお帰りになっちゃったのですか?
う~~ん 残念。
9月はじめにウボンへ行くことにしていましたので、お会いできればと楽しみにしていました。
妻の母上に2年以上ご無沙汰してますから、貧乏に拍車がかかるのですが仕方ない。

そうですね。バンコクも素朴さが段々と失われてる気がします。
なんか、東京のように感じることさえあります。
タイから東京へ帰ると、異様な感じがしますが、ウボンからバンコクもそうですか。

あははは、スタバは許せませんね。

では、日本でのご活躍をお祈りしております。
2007/08/08 13:19  | URL | Nonbe-san #RaJW5m0Q[ 編集]
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