カントリーパブ「バーンタギアン」
2008/03/17(Mon)
ウボンラチャタニ空港
ubon airport

信じられないことに、ウボンには街のド真ん中に空港がある。これもウボンという街がベトナム戦争中、アメリカの空軍基地として栄えたという歴史を鑑みれば自ずと理解できる。

街が発展するにつれて中心部にある空港は手狭になり、郊外へ移転するのが通例だ。羽田空港しかり、バンコクのドームアン空港や香港の啓徳飛行場もそうだ。

つまり街の中心部に空港があるという事実自体、ウボンが未だ経済発展から取り残された街であることに他ならない。

アメリカの空軍基地はタイ空軍基地に引き継がれ、ウボン空港と隣り合わせにして並んでいる。

ウボン空軍基地
ubon airforce

毎日、頭のすぐ上を戦闘機や旅客機が轟音をあげて飛び交う。これも慣れてしまえば何ということはない。中心部のチャヤーングン通りを歩いていて、ジャンプをすれば飛行機の機体にタッチできそうな感覚だ。

また旅客機は1日に定刻通りに4便しか来ないため、頭上をタイ航空やエアアジアが飛来するのを見て「おっ、もうそんな時間か」と時計代わりにもなる。全くのどかな田舎の風景だ。

一日に4便しかない空港で働く人たちは相当にヒマだろう。ウボン空港について、ある忘れられない光景がある。ある晩、私は知人と市内のレストランで酒を飲んでいた。

ちっぽけなウボン空港の管制塔
ubon airport2

彼はこの日、午後8時15分発の飛行機でバンコクに行くことになっていた。午後7時を回ったところで私はお開きを提案したが、彼は「マイペンライ、まだ大丈夫さ」と余裕の表情。

私の心配をよそに7時半になってもまだ赤い顔をして箸を動かしている。彼がようやく重い腰を挙げたのが離陸15分前。

我々は車を飛ばして一路空港に向かった。そしてチェックインを済ませて彼がゲートをくぐったのが、離陸3分前だった。

列車じゃあるまいし、離陸3分前に空港に行っても飛行機に乗れてしまうのがウボンの空港なのかと、私は開いた口が塞がらないほどの驚きを覚えた。これがウボンという街。

「バーンタギアン」の入口
P8030957

前置きが長くなった。ちっぽけなウボン空港の前を通り過ぎ、ウパリーサーン通りにあるカントリーパブに知人と行ってきた。店名は「バーンタギアン」。ランプの家という意味だろうか。

この店は以前に紹介した「Country Club」と同じコンセプトで西部劇風の店。タイポップスやフォークソングの生演奏を聞かせてくれるパブレストラン。入店すると平日だというのに満席で大混雑だった。

盛り上がりが最高潮に達するのが、イサン民謡のモーラムの曲がメドレーでかかった時だ。客席は総立ちになり、みな手をヒラヒラさせながら踊り狂っている。

店内は異様な興奮と熱気に包まれて、大いに盛り上がりを見せる。

ステージはこんな感じ
P8030964

このシチュエーションで一人座って酒を飲むのは、あまりに場違いで浮きまくってしまう。私も立って踊りに加わることにした。日本の諺を思い出した。♪踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃ損損♪

この店の客層は、20代から40代までと幅広い。若者と中年が一緒に楽しめるコンセプトの店など日本には存在しない。

日本人は年齢が自分と1歳でも異なれば、年上をジジイ/ババア、年下をガキと呼んで交わることはない。

しょせん同じ穴のムジナとしか付き合えないのが日本人だ。踊っていると近くのテーブルにいる見知らぬタイ人から何度も乾杯を求められた。私も笑顔でグラスを重ね合わせる。

盛り上がってきました
P8030958

このようなことは、タイのナイトクラブでも珍しい。ここでは店内の客があたかもみな仲間であるかのような一体感を持っているようだ。この店が流行っている理由はここにあるのかもしれない。

あえてこの店の客の共通点を挙げるとすれば、みな金を持ってなさそうである。服装はジーンズにTシャツ姿が多い。一日の労働を終え、楽しみにしてやって来た感じだ。

セレブ気取りのタイ人なら「こんなダサい店行かない」となるのだろうが、タイの場末文化に興味のある者としては、最もタイ人らしいタイ人の姿を垣間見れるような気がして私は嫌いではない。

「バーンタギアン」
P8030956

彼らは毎晩こうした店で大騒ぎをすることによって一日の疲れを癒し、翌日の仕事への元気を養っているのだろう。彼らの笑顔とパワーの源は、こんなところにもあるのかもしれない。

これをその日暮らしと言ってしまえばそれまでだが、今日を精一杯楽しんで充実して生きている人たちという感じがする。

毎晩、夜遅くまでサービス残業をしている日本のサラリーマンが何だか哀れに思えてくる。かつては私もその一員だったのだ。果たしてどちらが幸せかと問われれば、躊躇なくタイ人に軍配を上げる。

この日の勘定は、年長者の男が全員分を払ってくれた。私はいつも財布を出すが、決して払わせてはくれない。こういう時は自分の主張を押し通さずに、ピー(兄さん)の顔を立ててご馳走になった方がよい。

店内は総立ち状態
P8030963

逆に言えば「日本人→金持ち→お前が全部払って当然」という発想は、一定の地位とプライドのあるタイ人からは出てこない。この発想で近づいてくるタイ人はよほど厚かましいか、タカリ目当てと思ってよい。

私にオゴってくれる人たちは、私が東京でいくらの月給をもらっていたかを薄々知っている。それでもあえて私に払わせないのだから、その心意気に敬意を表して相手の気持ちを素直に受け入れるべきだと思う。

店が閉店して帰ろうとすると、連れの一人が店内で彼の女友達に声を掛けられた。一目見て欧米人とのハーフだとわかった。ベトナム戦争に従軍した米兵との混血2世だろうか。

こうしてウボンの夜は更けていく
P8030966

彼女は金髪で青い目をしているのに、タイ語がペラペラで英語が全く話せないのでおかしくなってしまった。彼女たちはこれからパトゥムラットホテルにあるフェリセに行くようだった。

我々も誘われたが、次の日は朝から仕事なので丁重にお断りした。店の前からはバイクや車が次々に音を立てて発進していく。ある者は家路に着き、ある者は2軒目へと繰り出す。

ウボンはタイ東北端の田舎町にも関わらず、夜遊びする場所には本当に事欠かない。

こんな感じでウボンの夜は更け、ウボン人の楽しい一日が今日も過ぎていきます。

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コメント
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2008/03/27 10:34  | | #[ 編集]
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2008/03/30 16:02  | | #[ 編集]
- お久しぶりです -
個人的なことですが、しばらくPCが見れない状態にいました。
最近、やっと見ましたらウボンの空港が紹介されていますね。
懐かしい!!!
ゴールデンウィークは、妻子と一緒に狭いワンルームで過ごしていました。
今は、帰ってしまって、寂しいですね。

日本は、景気が悪いですね。
医療保険でも色々と問題がありますし。
将来、年金だけでは生活は出来ないのではないでしょうか?
タイは、医療費は30Btを一度払えば無償らしいですね。
日本も出来ないものでしょうか?

食料も、小麦の高騰で米粉が見直されているとか。
タイでは、ラーメンは米の麺で作ってますよね。
春巻きの皮も米で作ってましたよね。
日本でも、タイラーメンが流行る日が近いかも知れませんね。
タイの米粉は安い?から仕入れたら儲かるでしょうか?
2008/05/17 01:40  | URL | ナ~ム #wLMIWoss[ 編集]
-  -
ナ~ムさん お久しぶりです。

私はいつも列車でウボンに向かいます。
バンコク・フアランポーン駅発の夜行列車が大好きです。
一晩かけてゆっくりとウボンモードの時間感覚に心と体を戻します。

朝もやがかかる早朝のウボンに到着すると、全てが輝いて見えます。
2008/05/20 20:41  | URL | #-[ 編集]
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2008/06/01 22:15  | | #[ 編集]
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